温泉郷に葡萄などの果物、伝統色豊かな技術がある山梨県は、関東からの日帰り旅行にも適した素敵な場所。空気がきれいでふらりと立ち寄れる温泉の豊かさから、一度旅してとても好きになる方は多いのではないでしょうか。

旅をしていてしばしば目に留まる、水晶などの石を使った宝飾品を売る小さなお店やミュージアム。観光地では見慣れた風景ですが、山梨はかつて水晶の産地としては国内一の規模を誇る本場でした。その名残と近年の物産品人気で、いわゆる「観光地のお土産物屋」とは異なる個性があります。展示室と併用して宝石研磨所や工房を備えている事も多く、見学すると一本の指輪がつくられるプロセスが分かってうっとりと豊かな気持ちになります。

現在も1000以上の業者が集まり、自社ブランドの高品質なジュエリーを発信している山梨県。手作りの結婚指輪をつくれる工房も多く、もし旅行好きのカップルであれば二人で小旅行中に指輪をつくる、というのも素敵です。価格的にもリーズナブルで品質の高いものが選べるのが嬉しいところ。観光地といっても長い歴史のある落ち着いた土地柄ですから、せわしない海外旅行などと異なりゆっくりとその土地のムードに浸る事が出来ます。

縄文時代から始まった水晶の採掘は、江戸時代に研磨技術が伝わると裸石のデザインを洗練させました。歴史に関心がある人の心を満足させてくれる様々な要素を、旅の途中に楽しむことが出来ます。

パワーストーンなど、いわゆる高級宝飾品に限らない石そのものの魅力が見直される現在。そんな流れの中、水晶もまた注目が高まっています。ダイヤの指輪の魅力とはまた異質ですが、採掘した時のままの大きな透き通る石の姿を通して、様々な自然の表情を目にする事が出来るのが魅力です。

2013年開館の山梨ジュエリーミュージアムは、水晶の採掘地としての山梨県が培ってきた石との深いかかわりを展示した美術館。地域産業として脈々と続いている、ジュエリー加工や最新デザインが展示されているのが魅力です。工房もあり、宝石加工の場を目にする事が出来る為、これからジュエリーを勉強したいという方がカップルで訪れれば、未来に作る素敵な宝石のデザインをあれこれと思い浮かべる事が出来そうです。新婚旅行とはまた別に指輪を訪ねる旅を、企画してみてはいかがでしょうか。