シアワセ指輪学
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ダイヤ取引がアントワープに多い訳
2014.11.05 UP
Yukiyo
ダイヤ取引がアントワープに多い訳
宝石取引って、人間しか持たないとてもミステリアスな仕事だよね。自然から生まれたキラキラの石にロマンを見るから、素敵な婚約指輪で花嫁が輝くんだもの。歴史の古いダイヤ取引についても、知識を身につけよう。
ダイヤモンド産業とユダヤ人
婚約指輪にセッティングされる綺麗なダイヤモンド。地中から採掘され、価値を認められ、指先に届くまでの気の遠くなる時間の中で、「誰が」「どんな風に」この石を届けてくれたのか？ 考えるととてもミステリアスな気持ちになりますよね。
そもそも中世の昔から、鉱物である宝石に意味を見出し、高値を付けてきたのは人間のみ。その中で商才に長け、特異な才能を発揮してきたユダヤ人は、ダイヤモンド取引の歴史に欠かすことの出来ない存在です。
キリスト教の成立を背景に、土地を持たず祖国に定住できなかったユダヤ人が、金銭的な価値と頭脳を武器に様々な国に移り住んできた事は周知の通り。宝石に誕生月ごとの意味を持たせる誕生石も、ユダヤ人と所縁の深い5` 3ちぃ旧約聖書に由来すると言われています。彼らにとってダイヤモンドのように希少性の高い宝石取引は、身を護る為の大切な方法でした。
ダイヤモンド取引所が沢山あるのは、そんなユダヤ人の多く移住していたベルギー、アントワープ。今でも地球上の六割のダイヤ取引がこの街で行われます。
アントワープ、ファッションやダイヤの街
ベルギーの都市アントワープに、ファッションの街という印象を持つ人は多いのではないでしょうか。メゾン・マルタン・マルジェラやドリス・ヴァン・ノッテンの静謐な美しさは、どこかダイヤモンドとも通じるものがあります。
ハイエンドの贅を凝らしたデザインがこの街で愛されるのは、ユダヤ人が多く移り住み商売を行ったから。ダイヤモンドの取引所は計4ヵ所あり、世界一の取引規模を誇ります。
ダイヤモンドの歴史を紐解くと必ず名前の出てくるデビアス社も、アントワープに大きな拠点を持ちます。16世紀からユダヤ人が移り住み、ダイヤ取引のインフラが整っていたアントワープでは、安定した取引が望めるためこの土地に取引所が集中するのです。
「マザール」の神秘的な響きが取引を支える
アントワープでは実に2万人以上がダイヤの取引に従事しますが、そのディーラーとなる道筋は未だにミステリアス。メンバーとなり「いいダイヤ」を目利きした上で入手するのは、単にお金を積めばよいという訳ではありません。
信頼関係なくしては入手できないダイヤモンドの取引が成立すると、買取業者と仲介業者の間では「マザール」という文言が交わされます。「神の加護を祈る」という意味のこの言葉に支えられて、ダイヤの一粒が手元に届くのです。
好きな言葉から日々エネルギーをもらうつもりで、楽しんで素敵な言葉を選んでください
