ダイヤは何処で採れ、何故婚約指輪になるのか
ダイヤモンドは何故高いの? 炭素の塊が何故キラキラ輝くの? 心に響く宝石の科学的根拠を知ると、ちょっと賢く宝石を選べる…気がするよ
ダイヤモンドはいつ発見されたのか
人を惹きつけてやまないダイヤモンドが初めて発見されたのは、紀元前7〜8世紀のインドです。その頃は専ら川の中から採られ、採掘という形での採取ではありませんでした。土の中からダイヤモンドを採るようになったのは1870年頃、南アフリカの農場の、黄色い土壌の中から発見されてからと言われています。
ダイヤモンドの採れる土壌は、古い地質構造が残りキンバーライトの土壌と言われています。産出地は、ロシア、ボツワナ、コンゴ、オーストラリア、南アフリカ、カナダの6ヶ国が占めます。いずれも広大な自然と古い土壌が残っており、9割がこの産地から採掘されるものです。
そもそも古い地層って、キンバーライトって何?
この6ヶ国に共通する、古い地層とは具体的にはどのような地層の事でしょうか
地球が生まれた当時に地球核を覆っていたマントル(岩石)のうち、マグマが急激に冷えて固まった火成岩が、ダイヤモンドの採れるキンバーライト質です。そう考えると、この6ヶ国いずれも、火山からなる場所です。マントルの中で高温、かつ高圧力下におかれた炭素がダイヤモンドの成分であり、それがキンバーライトの為にグラファイト(炭素そのもの)に変化しなかったものが、ダイヤモンドと呼ばれています。
燃やすと炭素に戻ってしまうダイヤモンドが、輝きと共に希少価値を保っているのは、地中で燃えなかったからなのだと考えると、偶然から生まれた輝く石を丹念にカットし、遠い産地から運んで指先を飾るダイヤへの執念に、気が遠くなる思いがします。
なにせ地球誕生時からの歴史を持って地中に眠っている石がダイヤモンドだと考えると、高値であることも納得出来ますよね。
地質の違いはカラーダイヤの組成にあらわれる
燃えなかった炭素が透明感のある宝石として採掘され、手元に届くまでに様々な物質の混入があります。
近年人気が高まり、希少性と明るいカジュアルな輝きが魅力的なカラーダイヤモンドですが、その色のもとも地中の様々な物質です。
黄色い色が美しいカナリーダイヤモンドは、ダイヤモンドの中に含まれる窒素の割合で鮮やかな色彩となります。窒素自体はほぼ全てのダイヤに含まれ、品質の低下原因ですが、容量が一定を超えると目のさめるような黄色となるのです。
化学反応で美しい結晶が指先に届くロマンを語れば、高価なダイヤモンド購入もすぐOKが出るかもしれません。石そのものの希少価値は勿論の事、デザインと研磨によって無限の可能性をみせる事を改めて感じさせてくれます。